アドラー心理学をベースにした『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』。この2つの本は、何度読んでも新しい気づきがある。今回は、読みながらメモした言葉の中から、特に印象的だったフレーズと、それに対する自分の感じたことを整理してみようと思う。
『嫌われる勇気』を読んで心に残った言葉たち
誰かが始めなければならない。他人が協力的でないとしても、それはあなたに関係ない。
あなたが始めるべきだ。他の人が協力的であるかどうかは考えることなく。
→ 自分の行動は他人次第ではない。他人の反応や評価を気にして動けなくなるのは本末転倒。まず自分が行動すること、その一歩の大切さを改めて実感した。
劣等感 ≠ 劣等コンプレックス
aであるからbはできない、という思考の落とし穴。
→ 劣等感自体は悪くない。でも「だから自分にはできない」と決めつけてしまうと、それはもう言い訳になってしまう。できない理由を探す癖に気をつけたい。
人間の心理面の目標(意識)
私には能力がある、人々は私の仲間である
→ 能力を信じることと、他人を敵視せず仲間と見ること。この2つがそろって初めて前に進める気がする。
人の悩みは全て対人関係の悩みである
→ 結局、仕事も家族も、自分自身の葛藤も、根本にあるのは人間関係。だからこそ「どう向き合うか」が人生そのものなんだと再認識。
自己肯定ではなく、自己受容
変えられるものと変えられないものを見極める
→ 自分を「無理に好きになる」必要はない。ただ「こういう自分なんだ」と認めること。これは地味だけど、じわじわ効いてくる考え方。
普通であることの勇気
→ これが一番刺さったかもしれない。「特別でありたい」と思っていた頃、普通の自分を否定していた。でも「普通であること」を受け入れることが、実はすごく勇気のいることだと気づいた。
人生における最大の嘘、それは「いま、ここ」を生きないこと
→ いつも「未来のために」とか「過去がこうだったから」と考えてしまいがち。でも「今」をちゃんと生きるって、言うほど簡単じゃない。だからこそ意識したい。
人生の意味は、あなたが自分自身に与えるもの
一般的な人生に意味はない
→ 誰かに与えられるものじゃなく、自分で意味づけするもの。だから、どんな人生にも価値がある。これがアドラーの本質なのだろう。
『幸せになる勇気』を読んで心に残った言葉たち
人間のあらゆる言動を対人関係の中で考える
→ 自分がどう振る舞うか、どう考えるかは、常に他者との関係の中で生まれている。だからこそ、孤立した問題ではなく、人とのつながりの中で捉える。
人間の喜びも対人関係から生まれる
→ 喜びや幸せは、物や結果ではなく、誰かとの関係性の中にこそある。人と関わらない生き方では、ほんとうの意味での喜びには届かない。
人生のタスク:仕事・交友・愛
→ 生きるうえでの3つの領域。どれも避けられない。課題から逃げずに向き合うことで、人は本当の意味で自立できる。
仕事と交友は「信用なのか、信頼なのか」の違い
→ 信用は条件付き、信頼は無条件。他人を信頼するというのは、見返りを求めない覚悟であり、それが深い関係の土台になる。
人間の価値は「どんな仕事をするか」ではなく「どのような態度で臨むか」
→ 肩書きや職種ではなく、目の前の仕事への向き合い方がすべてを決める。誠実であるかどうか、それが人間の価値基準だと考える。
与えよ、さらば与えられん
→ 求める前に与える。先に信じる。これは怖いことだけど、勇気を持って一歩踏み出す者だけが得られる感覚だ。
誰かを愛するとは、感情ではなく「決意」であり「約束」である
→ 一過性の感情ではなく、続けていく意思。それが「愛」という言葉の本質。だからこそ、愛には責任がともなう。
普通であることの勇気
→ 「人と違う」ことを価値とするのではなく、「わたしである」ことに価値を置く。これは深い自尊心の話だ。
別れるために出会う
→ すべての出会いは、終わりを含んでいる。だからこそ、関係性には誠実でいたい。今のつながりを大切にできる人が、終わりを美しく迎えられる。
自らの意志で自らを承認する
→ 他人からの評価を基準にしない。「わたしの価値は、わたしが決める」。これが自立の一歩。
自分のため、あなたのため、私たち(二人)のため
→ 自己犠牲でも利己主義でもない。自分も、相手も、そして関係性自体を育む視点が必要だと強く感じた。
『幸せになる勇気』は、前作で「自立とはなにか?」を問うた自分に対し、「ではその先に、どう他者と生きるのか?」を投げかけてくる。
読後、「人との関わりこそが人生のすべて」だと断言できるようになった。幸せとは、孤立の中にはない。対人関係の中にこそある。
さいごに
幸せは、他者との関係の中にある──
では、あなたにとって「つながる」とは、どういうことだろう?