問いと共に生きる

義務感に縛られそうな朝に、ぼちぼちという選択

今日もぼちぼち、風をたのしむ 問いと共に生きる
今日もぼちぼち、風をたのしむ

はじめに

「◯◯しなければならない」「◯◯でなければならない」
そんな言葉が、自分を追い込んでいると感じる時がある。

もちろん時には必要だ。ただ“やらなきゃ”という義務感が強くなるほど、行動すること自体が苦しくなっていく。
やりたいと思っていたはずなのに、どこか“やらされている感”がつきまとってしまう──。

そんなとき、自分を縛る言葉のクセに気づき、そのままでもいいから「ちょっと気持ちが楽になる言葉」を探してみることにした。

「今日もぼちぼち。」という余白

ある日ふと思い出したのが、昔お世話になった整体師の先生の口癖。
よく「ぼちぼちやってこ」「ぼちぼちいくかー」と言っていたんだが今になってその言葉、妙に安心を感じる。

「ぼちぼち」には、無理をしない。でも止まらない。
そんなやさしい進み方が詰まっている気がする。

それを今の自分にあてはめると、
「やらなくてもいい。でも、やる。」
そんなふうに、自分で選んで動いている実感を取り戻せる言葉に感じた。

斜め上を見る気持ちをこめる

とはいえ、ただ力を抜くだけでは、どこか物足りなさもある。
やっぱり、自分の選択に少し“意志”や“未来”を乗せておきたい。

そんな気持ちで言葉を探しているとき、思い出したのがウィンドサーフィンのインストラクターのひとこと。

「風を感じろー! スピード感を出せー!」

風に乗るという行為には、流されるのでもなく、抗うのでもない。
自然の流れを読み、自分で舵を切るという、絶妙なバランスがある。
これは、自分の行動にも通じる考え方だと気づいた。

そこで生まれたのが、この言葉。

「今日もぼちぼち、風を読む。」

もう一つの表現:「風を楽しむ」

その派生で、もう一つ浮かんだ言葉。

「今日もぼちぼち、風を楽しむ。」

楽しむ。
でもこの「楽しむ」にも、漢字によっていくつかの意味があるのでその違いを、簡単にご紹介。

「楽しむ」の漢字とそのニュアンス

漢字意味・ニュアンス使いどころ
楽しむ明るく素直な喜び。一般的で万能音楽、旅行、日常を「楽しむ」
愉しむ内面的な充実感、静かな喜び孤独・趣味・味わう時間
怡しむ穏やかで和やかな楽しみ(古語的)詩的表現、心の余白を描く時
娯しむ娯楽的な楽しみ(あまり使わない)カジュアル・エンタメ寄り

たとえば「風を愉しむ」なら、自分の感覚に集中して、音や動きの微細な変化を味わうイメージ。
一方「風を怡しむ」なら、もう少し詩的に、静かな日常の中にある風景としての“風”を感じるような表現。

どの「楽しむ」を使うかで、伝わる世界観が少しずつ変わるならば、ひらがながいいかもね。

おわりに:言葉は、気持ちのスイッチ

私たちはつい、無意識に「〜しなきゃ」という言葉で自分を追い込んでしまいがち。
でも、言葉を少し変えるだけで、同じ行動が自分で選んだことに変わっていく。

だからこそ、朝のはじまりやふと立ち止まったときに、
「今日もぼちぼち、風を読む。」
「今日もぼちぼち、風をたのしむ。」

そんな言葉をそっとつぶやこう。

自分のペースで、でも止まらずに。
流されず、でも流れに逆らわず。
今日も、風を感じながら。

あなたの日も、そんなふうに流れますように。

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